自分らしい葬儀を!

いま、故人の個性が豊かに表現される葬儀が求められています。
葬儀に参列した方、あるいは遺族の方は、形式的な葬式の中で「故人が満足しているのか」あるいは「形式的すぎて心がこもっていないのではないか」といった、自問自答を繰り返しています。「故人に、希望を聞いておけばよかったとまで思う」といいます。
「自分らしい葬儀」を考える中で、もっとも重要なことは、あなたの意思をしっかり理解してもらえているかということです。とくに喪主の方には、大変なプレッシャーになります。オリジナルな葬儀を行おうと思うことは、形式的な葬儀を行うことより、多くのエネルギーを使います。
あるセレモニーホールに、事前見積もりにこられた方の話です。ご主人は奥様を連れてお見えになりました。「わたしはガンで半年の余命です」といわれました。
いらした理由は、もちろんご自身の最期のセレモニーをしっかり決めておきたいという思いもありましたが、じつは喪主になる奥様に負担をかけたくないということからでした。
ご主人には兄弟も多く、親戚もたくさんいらっしゃいました。いろいろな意見が出て、喪主である奥様が戸惑う様子がわかっていたのでしょう。
葬儀を決めておくことは、そういう心配りでもあるのです。
どういう葬儀が自分にはふさわしいのか、それを家族で考えることこそ、家族の絆を深めます。

「家族葬」とは
「家族葬」という言葉があります。近親者だけが参列する、あるいは簡素な葬儀など__言葉が一人歩きしいろいろな意味で使われているようです。
家族葬のメリットとしては、一般的には近親者だけで行うため、会葬者を気にせず故人をゆっくりと偲ぶことができ、また、少人数のため費用も抑えられます。
しかし、人によって理解が異なるため様々な誤解を生み、大切な方から苦言を受けたり、葬儀後に多くの方の弔問を受け対応に苦慮する場合もあるようです。家族葬を行う際には、家族のことはもちろんですが、故人のこと、そして大切な方々とのご縁など周りのことも考えた上で決めることが大切でしょう。